2012年5月23日 | 税理士ブログ

【節税】がん保険を使って節税をしよう

今回はがん保険を利用した節税についてご説明させていただきます。

がん保険とはその名の通り、がんのリスクに備える保険です。
がんが日本人の死因第1位ということもあり、
日本ではたくさんのがん保険が販売されています。

最近では解約返戻率が90%近い商品もあります。

現行の税制では、がん保険は支払った保険料を
全額経費に計上することができますので、
うまく利用すれば、がんのリスクに備えながら節税を図ることができます。

例えば、毎月の保険料が5万円のがん保険に加入した場合、
年間の保険料は60万円となり、10年間加入したとすると
合計で600万円になります。

解約返戻率が90%とすると、解約すれば540万円が戻ってきます。
つまり、保険料を全額経費で落としながら、
540万円の貯蓄をしていたのと同じ効果が得られるということです。

また、支払った保険料は各事業年度の法人税等を、
少なくする効果がありますので、法人税等の税率を40%と仮定すると、
実質は130%の解約返戻金を受け取ったことと同じなんです。

最近は税制の改正により、逓増定期保険などの大きな節税効果を生み出すものが
少なくなりましたので、このがん保険は、
節税する手段として本当にオススメです。

ただし、解約する事業年度は注意して下さい。
「支払ったときに経費」ですから「受け取ったときは収入」となります。

当然、解約返戻金にも40%の法人税等が課されますので、
解約する事業年度に計画的な経費がなければ、
節税の効果がなくなるばかりか、
場合によっては損をしてしまうこともあるでしょう。

解約返戻金を財源に退職金を支給するなど、
解約返戻金による収入と相殺する経費を計画しておきましょう。

がん保険の解約返戻率のピークのタイミングは、
保険会社や商品によって異なりますが、
一般的に、初年度から解約返戻率は高めで、その後ゆるやかに上昇します。

逓増定期保険や長期平準定期保険のような極端なピークがなく、
ある程度の解約返戻率に達すると、いつ解約しても比較的高い返戻率で
解約返戻金を受け取れるというメリットがあります。

保険による節税は常に入口(保険料支払時)と出口(返戻金受取時)の
両方を考慮し、計画的に行なうようにしましょう。

これはがん保険だけでなく、他の節税目的での保険加入にも言えることです。

「保険料をいくらにするのか?」、「保障はどのくらい必要なのか?」、
「解約返戻金のピークの時期はいつに設定するのか?」など、
基本的なことですが、十分に検討しましょう。

TOP