2012年5月2日 | 税理士ブログ

【節税】返品調整引当金で有利な節税を

返品調整引当金についてお話しをします。

返品調整引当金とは、当期の売上に起因した翌期以降の返品に対して、
発生する利益の減少額を見込む引当金のことを言います。

税務上、引当金の設定(費用の見越し計上)は原則として認められておらず、
認められているものは貸倒引当金とこの返品調整引当金だけになります。

ここで、注意が必要なのが、
貸倒引当金は期末に売上債権等がある会社であれば、
どんな会社でも設定できますが、
返品調整引当金はどんな会社でも設定できるわけではありません。

返品調整引当金を設定できる会社は返品を受け入れる特約※を
結んでいる業種に限られており、代表的な業種は下記の通りです。

※ここで言う特約とは、販売元は、販売先からの求めに応じ販売価額によって
無条件に買戻したり、販売先は販売元から送付された商品を、
注文の有無にかかわらず、無条件で購入することを言います。

・出版業
・医薬品の製造及び卸売業
・化粧品の製造業及び卸売業
・既製服の製造業及び卸売業

上記の業種で特約を結んでいる場合には、
小売店に商品をいったん納品したとしても、小売店は売れ残ったものについて、
無条件で返品が可能となります。

そのため、納品したときに売上を計上し、
多額の納税をした後に大量に返品があったときは、
収支的に大きなマイナスとなります。

そこで、売上計上時に将来の返品の金額を
予想し、費用として計上することで節税対策につながります。

また、売上の取り消し等を見越して費用計上するすることで、
各期間の正しい損益の把握も出来ます。

それでは、返品調整引当金の具体的な計算方法を紹介しましょう。

・期末売掛金の合計金額×返品率×粗利益率

・期末以前2月間の売上高の合計金額×返品率×粗利益率

上記の計算式により算出された金額のうち大きい金額を限度として、
返品調整引当金を設定することができます。

該当する業種の方は、節税対策や適正な損益の把握のためにも、
返品調整引当金を設定してみてはいかがでしょうか?

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