2011年11月9日 | 税理士ブログ
【節税】役員退職金を生かそう
今回は、役員退職金についての節税ノウハウです。
□役員に対する報酬は、期中に増額できないですよね?
■そうですね。
節税対策として、期中にいきなりアップすることは認められていません。
法人税法における役員報酬の考え方なのですが、原則として、経費になりません。
ただし、定期同額給与などの一定の要件を満たすもののみ、
経費として落とすことが出来ます。
要するに、いつでも変更できるというものではなく、
変更できるタイミングがあるということです。
その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から、
3か月を経過する日までにされた定期給与の額の改定です。
つまり、定時株主総会の改定ということになりますね。
□役員報酬は平成18年度の改正で、経費算入の要件がきびしくなりましたよね。
では、役員へ支給する退職金はどうなったの?
■役員に対する退職金は、従来と大きく変わっているわけではありません。
どのような規定になっているかというと・・・
法人が退職した役員に対して支給する退職金で、
その役員の業務に従事した期間、退職の事情、
その法人と同種同規模の法人の退職金の支給状況などからみて、
相当であると認められる金額は、原則として、
その退職金の額が確定した事業年度において経費として落とすことができます。
□そういえば、今度の株主総会で社長を退いて会長になり、
次期社長にバトンタッチしようと考えているんだけど、
退職金は払えないのかな?
■ズバリ回答すると、支払えます。
ご質問のように地位が変わり、業務内容が変わることを分掌変更と呼びます。
分掌変更によって役員としての地位や職務の内容が激変して、
実質的に退職したと同様の事情にある場合に支給したものは退職金として
経費に落とすことが出来ます。
□どのようになれば実質的に退職したと見てくれるの?
■例えば、分掌変更の後の役員の給与が、
おおむね50%以上減少した場合が該当します。
ただし、分掌変更後においても、その会社の経営上主要な地位を占めていると
認められる場合は除かれますので、会長職となった場合でも、
代表権をしっかり新社長へ引き継いでおかないといけません。
いずれにしても、役員に関する税制は、厳しい取り決めがありますので、
いくらにするかも含め、経費におとす要件に気をつけ、検討する必要があります。